2008年04月22日

本村さんと私達の9年間〜光母子殺害事件

本村さん.gif

今日は朝から落ち着かなかった。

そう光母子殺害事件差し戻し控訴審判決の日だ。

傍聴券26枚に3886人列という異例の注目度の高さ。

それはそうだろう。

私とて90%は『極刑』を確信していた。

これが『無期懲役』だったら、私は日本という国に絶望していたと思う。

10時過ぎに『主文後回し』を裁判長が言い渡し
『極刑』を匂わせたが
厳粛な裁判は2時間半続いた。

弁護団の主張は理路整然と退けられ
当時18歳と30日だった被告は死刑確定となった。


私はほっとした。裁判長に。司法に。日本に。


本村さんは毅然とした態度を崩さず、感涙にむせんだりもせず

この裁判の9年という長さ、
司法のあり方、
被告の少年の反省がないことへの怒りと無念さ

を述べた。

それを聴くと、今「死刑確定」となったが
これまでの彼の途方もない苦労をしみじみと感じて
やり場のない怒りと悲しさが押し寄せてきた。

この極刑は結果として至極当然だと思う。
ならば何故9年も…と
単純に晴れやかになれない重いものがある。

今の本村さんの胸中は一瞬の判決より
9年の闘いの思い出で占められているのだ。



事件を聞いた私たちが極刑を望むのも
感情だけに先導されてはいけないことはわかる。

少年の精神状態や12歳程度の精神年齢、家庭環境の悲劇、
事件も衝動的に致死させたのではないかと弁護士は主張
(これは少年の主張替えとして争点になった)

世間でも
本村さんが、一家のフィルムを作ったり
を書いたりしたことを
恣意的に情に訴えている」という指摘もあったりした。

私が思うに
本村さんが感情だけで動いていたとしたら
あの泣き叫びながらこの手で少年を殺す!」と言った
あの頃の本村さんで止まっていたと思う。

9年の歳月の途中
本村さんは
怒りを持続させるのも案外難しい…自分が疲労困憊していく中で
ふと闘いからげてしまいそうになる」
と漏らしたこともあったのだ。

だが、そういう気持ちが訪れると
妻子の無念を思い出す場所に行ったりして
気持ちを奮い立たせて来たというのだ。

辛いことに遭い、それさえも忘れたくて、
再婚したり、違う人生を歩み出す人もいるだろう。

だが、本村さんは殺気だった感情から始まって
理性を取り戻し、
さらに「司法のあり方」へ
自分の挑戦する意義も見出したのだと思う。

死刑存廃問題と少年法との複雑な問題が絡んだからこそ
9年もの歳月がかかったが

本村さんのきっぱりと筋道だった知性ある主張
ただ感情だけで訴え同情を買うのではなく
国民全体の関心を寄せ、納得させ、動かした。

橋下弁護士の意見で集まった弁護士団への懲戒請求の多さも
事件への関心の高さを物語った。

フィルムや本を出したのも
リアルにあった事件を風化させず
身近なものとして
すぐそばで起こり得ることとして捉えて欲しいというものだと思う。


罪を犯せば重い刑で裁かれる
もっともっと
小学生のうちからたくさんディベートして行き
生きた社会との対峙ができる人間になって欲しい。

今27歳の元少年も本当の意味で反省をもって償うべき。
何故それができないのか。。。

本村さんの祈りは
今日法廷で遂げられはしたが

本村一家の幸せな笑顔は9年前で止まったままだ。

9年間かけて
皆にいろんなものを考えさせ、勇気を与えてくれた本村さん
ゆるぎない家族への愛情
そして岩をも穿つ信念を見せてくれた本村さん

大きな大きな敬意を称します。
そして
感謝します。
posted by 彩賀ゆう at 14:20| 大分 | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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9年の闘い。
Excerpt: 本当は第九の話をしようと思いましたが、本日の ニュースに大きく共感したので、その
Weblog: The incarnation of Music【b-d】
Tracked: 2008-04-23 01:20